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超一流になるのは才能か努力か? アンダース・エリクソン

傑出したバイオリン科の学生と単に優秀な学生とを分けるものは何であるか?

標本 : ベルリン芸術大学のバイオリン科の学生30名。

ベルリン芸術大学は世界的なバイオリニストを輩出することで有名らしい。

 

教授陣に学生をランクわけしてもらう。

Sランク  世界的なソリストになる可能性あり。10名。

Aランク  非常に優秀だがスターではない。10名。

Bランク  音楽教育を専攻(ソリストプログラムの不合格者)。10名。

 

評価方法

 

聞き取り調査。

さまざまな活動から演奏能力を高めるうえでなにが大切か意見を求めた。

それぞれの活動の大変さ、楽しさ、活動時間を尋ねた。

バイオリンを習い始めてからの1年ごとの一週間の平均練習時間を尋ねた。

 

7日間日誌を書いてもらった。

日誌は15分刻みで睡眠、食事、授業、自主練、などの活動を記録。

 

結果

ほとんどの質問で学生の回答は似通っていた。

技術を向上させるうえで一番重要なの一人での練習時間であるという見方が一致。

順にグループ練習、レッスン、発表会(ソロ)、理論学習と続いた。

能力向上には睡眠が極めて重要との回答も多かった。
練習は非常に消耗するため、時には昼寝もして充電する必要があるとのこと。

能力向上に重要と答えた活動のほとんどについて、負担が大きく、あまり楽しくないと感じていた。誰もが能力を向上させるのは大変であり、活動を決して楽しんではいないことを認めた。しかし集中して練習する意欲があるのは、能力向上に練習は不可欠だと考えていたからだ。

天才(Sランク)の練習時間は抜きんでていた。

18歳までの練習時間の合計を計算した。被験者のような真剣なバイオリニストは幼少期より継続的な練習を行っているので自己申告の時間は比較的正しいはずだと評価した。

 

Sランク(ソリスト)平均7,410時間。

Aランク(優秀だが)平均5,301時間。

Bランク(教育専攻)平均3,420時間。

 

比較としてベルリンフィルとラジオシンフォニーオーケストラで活躍する中年のバイオリニストの18歳までの平均練習時間は7,336時間で音大のSランクとほぼ同じとなった。

 

 

 まとめ

様々な分野で実施されてきた多くの研究の結果を見れば、生まれつき特別な才能があり、他の人ほど練習しなくても上のレベルに到達できたことを示す例は一つもなかった。

練習に膨大な時間を費やさずに並外れた能力を身に着けられるものは一人もいない、と断言してよいだろう。

音楽、ダンス、スポーツ、対戦ゲームなどパフォーマンスを客観的に測れる分野なら例外なく、トッププレイヤーは練習に膨大な時間を割いている。