市場サイクルを極める ハワード・マークス
アウトパフォーマンスにつながるのは、他の者より多くを知っている場合だけである。
- 他の者より、よいデータ。
- 他の者より、良いデータ解析。
マクロ情勢がパフォーマンスを大きく左右するが、「マクロ投資家」は月並みな成績だ。マクロ情勢を把握して生かせる人はほとんどいない、よってマクロ情勢の予測を議論から外すことにした。
アウトパフォーマンスの要因として残るものは何か?
- 業界、企業のファンダメンタルズを良く知る。
- 適切な価格でなければ投資しない規律をもつ。
- 相場環境を理解し、適したポートフォリオを組む。
バリュー投資家は価格と価値のズレに投資する。
これを上手く行うには、
結果は長期的に見れば確率分布の範囲に収まるだろうが、単独の事象はランダム性も影響する。
優れた投資家は、
- 箱の中にどのようなくじがあるのか?
- そのくじ引きに参加する価値があるかどうか?
を感知することに秀でた人である。
箱の中に白と黒のボールが合計100個入っている。手を入れてつかんだボールはどちらの色だと賭けるか?
箱の中身を知らなければただのギャンブル。
白:黒=50:50の場合も参加費があれば長期的に負ける。
箱の中身の知識という強みがなければ利益を得られない。
箱の中身について知っている場合はどうだろう。
白:黒=30:70と知っている場合は10ドルを毎回黒に賭ける。10回辺り平均40ドルの利益が見込める。(十分に賭ける回数が多い場合)
相手が白と賭けるのは、箱の中の割合を知らないから、相手が同じ情報(30:70)を知っている場合は利益の見込めない賭けとなる。
このゲームで勝つには知識の面で有意に立つ必要がある。
ここで忘れてはならないのは、たとえ確率を知っていたとしても、次に出てくるボールがどちらかはわからないのだ。黒が70%だとしても、白が出てくる確率は30%ある。次に出てくる結果は、ある程度ランダムで確実などないのだ。
とはいえ、箱の中の確率に関する知識は将来の成功への十分な要素となる。