チャートを見るのをやめてみた。
今日チャートを見るのをやめてみた。
いつもチャートの動きで感情を煽られてしまう。
「ほーら、上行くぞ!上行くぞ!買わなくていいのか?」
「ほーら、下行くぞ!下行くぞ!売らなくていいのか?」
こんな風に煽られてしまう。そして乗ってしまう。
皆が同じものを見ていて、そこから優位性を得るのは非常に難しい。
皆があまり見ていないものを参照して、そこに優位性が少しあればいい。
価格を消して価格別出来高と板、歩み値でトレードしていく。
板と歩み値の読みは情報が多いので確実にうまい下手が存在し、職人芸であるのに対して、チャートでは上手い下手の差が出にくいのではないか、という仮説だ。
現実に俺は板と歩み値表示させていても、チャートがピコピコしてると、どうしても動くものに目が行ってしまう、動物脳を刺激されてしまい、作られた絵やパターンに予測可能性があると思ってしまうのだ。
対して、板や歩み値はパターンを認識しにくい、過去データはすぐに視界から消えてしまうからだ。
俺はシステム売買では1万回以上売買していると思うが、俺が利益を出せた売買システムは多くが対象銘柄の価格を参照しないシステムだった。統計的にはチャートに優位性はほとんどない。
つまりチャートをみて売買して利益をだせる人間はほとんどいない。普通の人の感性では非常に難しい。間違いなく俺は普通の人間の感じ方をする。
そもそもシステム売買やってたのも、自己コントロールできないからで、利益をまともに出せるようになったのは完全自動売買に移行してからだ。システム売買ですら、自分で発注していた時は従わない時があった。もちろん、俺が従いたくない時ほど大きな利益を逃したのは言うまでもない。
なぜうまくいってたシステム売買をやめたかって?
エッジがなくなってしまったからだ。2016年2017年あがいて検証たくさんしたが、単純な線形相関はほとんど儲からなくなった。俺の初心者レベルのプログラミングでは検証にも限界があった。
システム売買ではたくさんの人が同じ方法で注文をすれば先に価格が動いてしまい、俺の乗った車を運んでくれるエネルギーは消えてしまう。
検証を続ければいつかは偏りは発見されて、その偏りへの参加者が増えることで優位性はなくなるのだ。それがわかるには、ある程度の期間でサンプル数が必要だ。
自動売買では相場対応は上手くならない。もちろん分析力や相関関係、ある指標の予測可能性などについては知識は増える。しかし、それらも時代やルールが変われば優位性は無くなってしまう。多くの裁量トレーダーはシンプルだ。注文フロー、価格、出来高がほとんど全てだろう。
様々な裁量トレーダーのインタビューを読んでも相場のしくみは100年前から変わっていない。成り行き注文が価格を動かす。これに尽きる。
現時点で全く勝てない裁量トレードをなぜやっているのか?
相場での売買が職人芸ならば経験を積み上げていけるからだ。個々のトレードが勝ちだろうが、負けだろうが関係ない。経験の積み上げとは「サンプル数を増やすこと」これが全てだ。
現実に相場という決断ゲームで継続的に利益を上げている人々が存在する。それらの人々は裁量トレーダーが9割という。(リンダ・ラシュキ談)
以上のことから俺は目と手の動く限り裁量トレードを続けて、相場職人として生きていきたい。そのためにサンプル数を増やすのだ。